なぜ中央分離帯に植物が植えられているのか?その理由とは?
高速道路を走行していると目につくのが、中央分離帯に植えられている植物です。
なかには「なんでこんなものがあるのか」「必要ない」という意見も見られます。
例えばこれらの植物を剪定するために車線が塞がれてしまっているときなどに、「そもそもどうして高速にこんな植物が必要なのか」と苛立ち混じりに疑問を覚える人が多いようです。
しかしこの中央分離帯の植物は、高速道路で安全に走行する上で非常に重要な役割を担っているのです。
植えられている理由として、2つ挙げられます。
まずヘッドライトの眩しさを防ぐ効果のためで、具体的には対向車線のヘッドライトの眩しさが原因で事故を起こさないようにするためです。
とくに近年の自動車ではLEDヘッドライトが使用されているため、ハロゲンのヘッドライトに比べて明るくなっています。
これは夜間や雨中の運転で重宝するわけですが、この明るさが対向車線の車のドライバーに目をくらませてしまう恐れがあるのです。
そこで、中央分離帯に植物を植えることで対向車線からの光を遮ってしまおうというわけです。
2つ目の理由は、植物を植えることで高速道路の形、コースをドライバーにわかりやすくする効果のためです。
中央分離帯に植物が並んでいる様子を見ながら、どのあたりにカーブがあるのか、どこまで直線が続くのかを早い段階で把握できるのです。
これは山間部などカーブが多い高速道路においてとくに重要な意味を持っており、スピードの出しすぎなどの危険運転を避ける効果が期待できます。
さらに副次的な効果も
緑がもたらすドライバーの精神面への影響力・効果も挙げられます。
高速道路はどうしても直線が多いうえに景色も変わり映えがしないため、集中力を維持するのが難しく、また速度感覚が麻痺してついついスピードを出しすぎてしまうといった問題も出てきます。
集中力の低下はいざカーブや減速が必要になったときにとっさの対応を遅れさせてしまいますし、場合によっては居眠り運転や眠気による不注意運転の原因にもなります。
中央分離帯に植物を植えて緑によって、景観に彩り・変化を加えることで集中力を保つ効果が期待できるのです。
この点に関しては、多彩な植物を植えるなど工夫もされており、中には市場には流通していない植物やレッドデータに記載されている植物などが植えられている場所もあります。
高速道路を走る際には、もちろんよそ見運転にならない範囲内でですが、ちょっと植物に意識を向けてみるとよいかもしれません。
さらにもうひとつ、これは典型的な副次的効果ですが、緑がもたらす二酸化炭素や温室効果ガスの軽減、騒音の低下といった環境面への影響も挙げられます。
この点は「焼け石に水」的な印象もありますが、重要な理由となっているのです。